表現の自由

2010年03月12日

本件については、非常に多くのメール及びDM、スカイプを頂戴いたしました。
その多くは、この条例が制定されることに対する危機感を募られせている不安から来るものでしたが、それよりも多くの話しとしてはブログでこの事実を書いて広めて欲しいというものでした。

しかし、元々美少女ゲームをメインの題材に取り扱っているブログと言うこともあり、ここに来られる方の大半はこの条例に反対している方かと思われるので、ここに書いても大きな意味があるのだろうか。むしろいたずらに混乱を招くのではないかと思い、自分なりに行動を起こすまではブログ上では沈黙を貫いておりました。

そして、先日面識のある都議会議員様等に対し(誰に送ったかはノーコメントで)メール及び文書に署名・捺印をした上で意見書を送付いたしました。正直、小さいながらもこれが一番効果があると判断したからです。
エロゲのアンケートハガキと掲示板やTwitterの書き込みの違いにある通り、匿名でぎゃーすか騒いでいてもそれを見ている人間は自分の居る世界に属する者であり、新たに知る人に対し理解して頂くには至りません。やはりこの場合はきちんと自分なりの意見をまとめ、それを必要とする相手に伝える。これがシンプルだけど一番大きなやり方だと思います。

やはり、自分がやらないうちにそれを煽るような行為もしたくなかったこともあったので今日まで書いておりませんでした。
しかし、19日に総務委員会で採決されるとのこともあり、せめて週末前に簡単に自分が書き綴ったことの一部を2-3回に分けてここでお話していこうと思います。

最初に話しておくと、単純にエロゲとか二次出版物に影響を及ぼすという単純な理由であれば意見書提出は考えませんでした。しかし、それ以上にこのような条例、政令、法律が出来てしまうことによる問題があると考えたことが一番大きな理由です。

僕自身が一番問題としているのは、法律ではないにしても「条例」であいまいな表現が条文に織り込まれていることです。今回の「青少年育成条例」改正案において一番問題となっているのが「非実在青少年」の存在です。

その条文には、「年齢又は服装、所持品、学年、背景その他の人の年齢を想起させる事項の表示又は音声による描写から十八歳未満として表現されていると認識されるもの」とありますが、一見するとエロゲにおける「登場人物は十八歳以上です」という文章と何ら代わりがないように見えますが、これが自主規制であるならばまだしも条例で条文化されることが問題だと考えております。

この条文は具体的なことが書かれておらず、更に問題なのは誰が判断するのかが明記されていない点にあります。そのため、このような条文を制定するのであれば、「誰」が「どのような基準」で「認識する」のかを明記する必要があります。
特に表現物の場合、その製作者が18歳以上と言えば通るのであればそれは形骸化されるものであって制定する意味が無い訳で、逆にそう見えただけで判断されるのであれば、それは条例・法律の範疇を大きく逸脱しているものと考えられます。それこそ「表現の自由」、「思想の自由」と言った大きな問題を招く危険性すらはらんでおります。

更に、僕自身は道徳の時間でも「人を見た目で判断するな」と教育を受けて育った身分ではあります。しかし、今回の条文は「人を見た目で判断しろ」と言っている風にも捉えることができます。
仮に「非実在」だから「人」ではないと言うのであれば、そこにおける「人格」や「想起される外見」も否定されることになります(そもそも創作物の中の人にも人格は存在するという見解から創作物に対する規制をかけるべきだという話しにもなった部分もありますので。)

確かに一部の書籍・ゲームを含む創作物においては、通常では考えることのできないものも存在しますが、その一部の創作物の規制をかけるために90%の製作者やユーザーを巻き込むのはいかがなものかと思われます。少なくともこの条例が制定された場合、大半の製作者はその部分を意識して創作をせざるを得なくなり、ユーザーはそれを意識しながら創作物を見るといった非常に堅苦しい世界に置かれる危険性が考えられます。

当然に、今回の条例を制定する際に考えられたこととそれを見ている者が考えることに大きなギャップがあるのは事実かも知れませんが、本条例を見るに製作者にとっても大きな不安を感じながら創作を続けていくことになれば製作者にとっても大きなストレスになるだけではなく、コンテンツ大国を目指す日本にとっては大きな支障になることは間違いありません。

僕自身の考え方としては、「非実在青少年」という非常に曖昧な存在を定義づけることによって全体に大きな影響を及ぼすのではなく、その他の手法(ゾーニングの徹底化、青少年が有害図書に触れない環境の整備等(ここの考えについては後日の記事で記載予定))を図ることによって、「青少年の健全な育成」を行うことを目指す方が現実的であると考えております。

この条例では、大きく「表現の自由」及び「思想の自由」の制限になる可能性が高く、条例は法律の範囲内に制定することが定められていることからも本条例はこの部分だけにおいても憲法逸脱の恐れがあり、今後においても非常に不安の残る内容となっております。

よって、「非実在青少年」というものの定義付けについては反対です。

一部、改編及び省略いたしましたが、非実在青少年の部分については、このような形で記述させて頂きました。その他にも本条例の様々な部分について意見を述べさせて頂きましたが、大半の内容については本ブログの内容とは乖離していると考えておりますので、皆様からのご質問があればそれに回答させて頂きます。

次回、このお話を書かせて頂く場合には、その意見書で記述した対策案についてお話していきたいと思います。

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2009年06月02日

過去、3度に亘って投稿してきた凌辱系ゲームの製造・販売を禁止する方向のアウトラインが決定したようです(出所:アーベルグループ開発日記ブログ

「凌辱系」ゲーム、製造・販売禁止へ−賢者としての慎みのある行動のお願い

「凌辱系」ゲーム、製造・販売禁止へ その2−表現の自由の規制とは−

廃屋譚(はいおくさん)がエロゲ規制強化について反対表明

と、書いたところ驚くばかりの反響がありましたが、その後本日まで目新しいニュースもなかったので、敢えてそのネタでは書いておりませんでしたが、遂に6月2日を迎え、何かしらのアクションが出るとは思いましたが、よもや禁止するという方向が決定するとは・・・といったところです。

と言うより、メーカー側の反対や意見が少なかったと言うのが気になりました。
このような状況になって、規制已む無しと考えたのはまずはメーカーだったということでしょうか。

ただし、本日時点ではガイドラインも具体的な規制内容が出ていない以上、詳細についてはこれから煮詰めていくという形になります。
それでも、若干の影響が出ることは間違いないと思われます。

まずは、こちらのメーカー。シロップさんですが、昨日新作の発売が延期されました。6/19→26

この程度の延期で何が出来るのかと気になったところ・・・。

(旧)町ぐるみ輪姦〜白濁まみれの少女達〜



(新)町ぐるみの罠〜白濁にまみれた肢体〜

町ぐるみ輪姦 ~白濁まみれの少女達~
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おぉ。輪姦と少女をはずしたぞ・・・ってこの程度で済むのか?とは思っていましたが、さすがにこの程度の規制じゃ済まなさそうですが、ガイドラインが決定していない状態でとめることもできないので、その結果、タイトルの変更を先に行ったというのが一番の見方でしょうか。

アーベルさんのブログでも出ていたけど、触手やモンスターとか年齢10018歳とかはどうなるんでしょうかね。それとどのような規制になるのかがひたすら気になるところだと思います。

しかしながら、こんな混乱時において、

わるきゅ〜れ新着情報

こんなタイトルを発表するとは・・・ちょっとは状況考えろよ・・・

と思うような企業もいるところを考えると、全くの規制をかけない状況は難しいのかも知れないと思うのは、メーカーのみならず僕も一緒です。
規制をかけなければ激しい作品を作りたくなり、その結果再度問題をぶり返すことにも成りかねず、挙句の果てには法律で規制することにもなりかねないので。

規制があると作品が作れなくなるというのも一理あるものの、その規制の中で生きて行かなければならないというのも企業としては当然の姿だと思います。
それが嫌であるならば同人で販売すれば良いわけで(儲かるかどうかは別よ)

そのため、規制が決定した→ソフ倫凸とかではなく、どのような規制になるのか。そしてその規制でどの程度の影響があるのかを見定めて行く必要性があると考えております。

おそらくこれからは発売中止とか延期とか出てくる可能性がある訳で、その状況次第で色々と考えるべきだと思います。

まぁ・・・少しは慌ててもいいかもだけど、まだ慌てるレベルでもありません。
だって、メーカー自体が受け入れたんだもん。僕らが騒ぐレベルじゃないってことです。これからのメーカーの対応に期待したいと思います。
後はおそらくこれを受けて、原画師さんやシナリオライターさんもどんどん意見が出てくると思います。それを見ながら何が出来るか考えて行きます。

この規制の中でどのように素晴らしいエロゲが作れるかってことを各メーカーに対して期待したいです。この規制を理由につまらない作品ばかりになって欲しくありませんし。

しかし・・・馬場さんや森田さん、山本さんの意見が気になるな・・・。

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2009年05月29日

本日の記事

「凌辱系」ゲーム、製造・販売禁止へ−賢者としての慎みのある行動のお願い−

長文になりましたので、続きを書かせて頂きます。

さて、皆様も含めて私自身も危惧していることは、表現の自由に対する規制と今後、規制が厳しくなるのでは無いかと言うことについては、一応のところ規制がかかるのは事実なので、少なくとも過去出すことが出来た作品を今後出せる保証はどこにもない。

しかし、先の記事でも書いたように、二次元であればどのような表現をしても良いのかという問題が存在しているのも事実である。そのため、ある程度のマーケットがあるところにおいては規制をかけなければいけないのも事実であろう。規制をかけろという論調が存在するということは、それくらいマーケットと社会的影響が大きいというのも事実なのだ。

このような凌辱系の作品の規制が要請されたのは初めてのケースではない。

アダルトゲームと表現の規制(Wikipedia)

ここに出ているとおり、177(マカデミアソフト)が国会に取り上げられ、そして沙織事件に至っては万引きされたことが切っ掛けで製作会社の社長が逮捕されるという事件も発生した。その結果、ソフ倫が誕生したのである。

その後、児童ポルノ関連を中心とした規制の論調が1996年から強まるものの、何とかしのいできたが、2008年に入り、イラストを含む児童ポルノの単純所持規制改正案を具体的に検討した。

しかし、この規制案も見送られたものの、それでも尚エロゲーに対する規制を狙う論調は強く、そこで出てきたのが「レイプレイ」事件であった。凌辱系に児童ポルノを組み合わせ、規制論がより強まっていった。

それでも尚、完全規制をかけるのは難しいと考えられる。
その理由としては、現時点において数百億円のマーケットがそこにあるからである。これに完全規制をかけてしまうと、そのマーケットに属する多数の人間に影響を及ぼすのは明白であるからである。

とは言っても、全く業界団体すら動かなければ、社会的論調は強まり、今の政治活動を見ると、本当に法的規制によって歯止めをかけても不思議ではない。
そのため、ソフ倫を中心としたメーカー等が、落としどころを模索した結果、今回の凌辱系規制を行うことを決定したのではないかと考えられる。

このことによって、表現の自由の阻害になると考えられるが、先の記事で述べたように、全く規制が無い=だから何を書いても良いというのは正しい話ではなく、その規制の中で優秀な作品を作ることが、商業ラインに乗っかる製作者には必要不可欠であるとも考えられる。それが難しいようであれば自主的に販売もしくは同人マーケットで売るのが最も適切である。

同人活動および自主的に販売するインディーズの販売が停止された訳でないのが今回の大きなポイントである。あくまでも流通に乗っけるためには凌辱系のソフトはダメですよということなのである。

確かに、タイトルで直接的に「レイプレイ」とか「肉奴隷」とか「凌辱」とか見ると、普通の人には嫌悪感を与えるであろう。ましてやそこに愛を見出すことも困難である。その部分に規制をかけるのはやむをえないのでは無いだろうか。

この部分については賛否両論あるのは重々理解した上で述べさせて頂いているが、多数の店頭に並ぶ巨大なマーケットの商品としての責任感も必要だということである。

また、このような論調になると、アダルトビデオの規制が先だろうという論調も多い。これは正直事実であるが、アダルトビデオにも多数の自主規制団体が存在し、規制と緩和の歴史はエロゲーよりも長い。凌辱・レイプ等の規制論調も長く行われている。エロゲーより巨大なマーケットの分規制は思うとおりに進まないのは事実であるが、過激な表現を行った結果、逮捕者が多いのも事実である。

つまり、自主規制しようが何しようが、わいせつ物頒布罪(刑法175条)に違反すると考えられた場合は逮捕されるのである。そのため規制云々を別次元に求めるのも実は論点として、ずれているのである。

次に、今後規制が厳しくなるのでは無いかという危機感を持っている方も多いかと思うが、これについては正直将来の状況次第で大きく変わると言わざるを得ない。

しかし、規制は規制強化もあれば規制緩和もある。例えばエロゲーでは実妹・実母等の肉親との所謂近親相姦は認められていなかったが、数年前より認められるようになり、近親相姦を取り上げた作品も増加傾向にある。
それ以外にもエロゲーのみならず、規制とは時代の潮流によって大きく変化していくものであることは歴史が証明しており、数年後には再び凌辱系がOKになったり、ロリコンがOKになったり、逆のケースも考えられる。

それでも、ソフ倫を中心としたメーカーも自分たちがどのようにすれば生き残りを図れるか考えている訳で、ユーザーが望ましい作品をプレイしたいという欲求よりも、自分たちが作りたい作品を作りたいと思う気持ちの方が強いのは間違いない訳で、私はそのようなメーカー側の取り組みを信じることにしている。

メーカーも規制強化の動きは予測していたとも取れる行動も散見される。

例えばselenについては、元々凌辱系のメーカーであり、「借金姉妹」という作品では多重債務を背負った姉妹の借金を肩代わり返済した主人公が弱みに付け込んで凌辱していくというものを作っていた。しかしながら、その続編となる「借金姉妹2」では借金を返済した主人公に愛情を持つ姉妹のヤキモチラブストーリーと内容が相当に変化した(2は1のパラレルワールドとなっている)。その後も純愛物の「はらみこ」を出したり、業界でもこの変動は驚きをもたれている。

借金姉妹
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借金姉妹2 通常版
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selenはメガストアのインタビューでユーザーのニーズに合わせたとあるが、このような規制強化を見込んでいた可能性もある。
このようにメーカー自身も先を見据えたり、規制の変貌に合わせる動きもしているのも事実なのである。

そのため、私は6月2日のソフ倫の規制改正案の発表(一般の人がわかるのかな?)とメーカーや製作者の動向を見据えて行きたいと考えている。そこでメーカーや製作者が動くのであればそれなりに考えたいし、規制案の中身を見ずして批判は出来ないのが正直なところである。

ここでもう一度、賢者としての慎みある行動を皆で取っていけるように頑張っていきましょう。僕も賢者として慎みある行動を取り続けてまいります。

長文のブログでお目汚し失礼いたしました。



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